都立高校入試の傾向と対策

東京都の都立高校入試は、学力と総合力を重視する「一般入試」と、学力に加えて面接や実技試験などの総合力を重視する「推薦入試」の2つに大きく分けられます。

一般入試では、学力検査と内申点の合計で合否を判定します。学力検査は国語、数学、英語、理科、社会の5教科から構成され、内申点は中学校の成績を基に算出されます。学校によって学力検査と内申点の比率が異なり、おおよそ7:3、一部学校・学科によっては6:4の割合となっています。

推薦入試では、面接や実技試験、作文、小論文などの総合点から合否を決めます。一般入試とは異なり、学力検査は実施されません。推薦入試には「一般推薦」と「特別推薦」の2種類があり、一般推薦は中学校の成績や活動実績を重視する選抜方法です。特別推薦は、スポーツや芸術などの分野で優れた能力や実績を持つ生徒を対象とした選抜方法です。

東京都内に在住であれば、市区町村に関係なく都内のどの高校でも受験することができます。全日制の場合、推薦入試と第1次(分割前期)の2回の受験機会があります。ただし都立高校の入試では、1校しか受験することができないため、私立高校の併願受験をおすすめします。

【2024年度の入試スケジュール】

推薦入試

出願受付日1月12日~18日
実施日1月26日、27日
合格発表日2月2日

第一次募集及び分割前期募集

出願受付日1月31日〜2月6日
実施日2月21日
合格発表日3月1日

分割後期募集及び全日制二次募集

出願受付日3月6日
実施日3月9日
合格発表日3月14日

※日程や入試要項は変更となる場合があります。最新の情報は教育委員会が発表する入試要項を確認してください。

【東京都の都立高校受験の仕組み】

1. 中学3年生の内申点 65点満点
2. 学科試験の点数 5教科×100点 500点満点
この得点からさらに全日制課程の高校の場合、学力検査と内申点を7:3の比率に換算、全日制の芸術および体育に関する学科の場合は6:4で換算し1000点満点で評価をします。

中3の成績(内申点)と入試本番の試験の点数を合計し、1000点満点で合否を判定します。また、面接・小論文・実技検査などがある場合は、その点数も加えて合否を決定します。

東京都の都立高校入試では、内申点を次のように計算して点数換算していきます。

中学3年の成績主要5教科×5段階評価+実技4教科×5段階評価×265点満点

東京都の都立高校受験の入試問題の傾向

東京都の都立高校入試の学科試験は、5教科・各100点の500点満点で、毎年ほぼ同じパターンの問題が出題されます。そのため、出題傾向を把握しておくと高得点獲得の鍵となります。

国語

試験時間50分
配点100点
大問数5問

大問1・大問2は漢字の読み書き問題が各5問ずつ出題。 大問3以降は長文が2問、古典が1問の問題構成になっています。 長文は3000字以上の問題となっているため、早く正確に読み解く力が必要となります。

数学

試験時間50分
配点100点
大問数5問

大問1は、基本計算問題を中心に9問程度出題されます。作図問題も出題されますが、慌てずに確実に解くようにしましょう。大問2では、図形や数の規則性の問題に加え、証明問題が出題されます。図形の証明問題は、例年出題される重要な問題のため、しっかり対策を行いましょう。大問3以降は、グラフや平面図形を用いた面積・面積比の問題、関数の問題、証明問題が頻出します。

英語

試験時間50分
配点100点
大問数4問

大問1はリスニング問題で、会話の内容を正しく理解し、適切な選択肢を選ぶことが求められます。大問2は会話文のやりとりを読んで、内容一致や適語を選ぶ問題が中心です。また、作文も出題されます。大問3・4は会話文・長文読解問題で、空所補充や内容一致など、さまざまな問題が出題されます。長文は比較的長い文章になっているため、素早く正確に内容を把握することが重要です。

理科

試験時間50分
配点100点
大問数6問

大問1・2は、生物・科学・物理・地学からバランスよく出題される小問集合問題です。大問3以降は、実験結果や資料をもとにした計算問題や記述問題が頻出します。全体を通して、理科4分野が偏りなく出題されるため、苦手単元を早急に克服することが大切です。また、グラフや資料の読み取りに時間がかかる場合があるため、時間配分にも注意しましょう。

社会

試験時間50分
配点100点
大問数6問

東京都の都立高校入試の社会科は、大問6問構成で、資料やグラフ、地図の読み解き問題が中心です。そのため、ポイントとなる数値や情報を素早く読み取る力を身につけることが大切です。出題範囲は、歴史・地理・公民の3分野からバランスよく出題されます。歴史では、前後に起きた事象や、時代背景などを理解した上で、問題を解くようにしましょう。

自校作成問題とグループ作成問題

東京都の都立高校入試では、大部分の学校で共通問題を使用していますが、一部の学校では、私立校入試のように学校独自の問題(自校作成問題)を試験で出題しています。

自校作成問題を実施する学校は、以下のとおりです。

● 進学指導重点

都立日比谷高校都立西高校都立戸山高校都立青山高校
都立国立高校都立立川高校都立八王子東高校

● 進学重視型単位制高校

都立新宿高校都立墨田川高校都立国分寺高校

また、以下の学校は、英語・数学・国語において学校共通の「グループ作成問題」を入試問題として出題します。

● 併設型中高一貫教育校

都立白鷗高校都立両国高校都立富士高校都立大泉高校
都立武蔵高校

自校作成問題を実施する都立高校は、難関校として知られています。出願を検討する際には、過去問を解いて出題傾向を把握し、万全の対策を立てることが大切です。

東京都の都立高校の入試は、

1. 中学3年間の内申点
2. 入試本番の学科試験の点数この2つの合計で合否が決まります。 では、どのように対策をすればよいのでしょうか? ここからは、スタディキャンパスの高校受験対策や内申点を上げるための対策について具体的に説明しますね。

高校受験対策:内申点を上げるには?

東京都の都立高校入試では、中3の内申点が合否の約3割~4割を左右します。そのため、都立高校で志望校に合格するには、内申点を高く保つことが重要です。

  • 定期テスト(中間テスト・期末テスト)の点数
  • 学習態度、出席状況
  • 提出物
  • 英検・数検・漢検などの取得
  • 校外活動 など

内申点に直結する定期テストの点数を上げるには、普段から学習の積み重ねが大切です。特に、英語と数学は積み重ねの教科であるため、苦手な単元を放置すると、その先の内容も理解できず、定期テストの点数に響きます。そのため、できるだけ早めに苦手単元を解消することが重要です。定期テストは範囲が決まっているため、教科書や問題集を活用して、出題範囲を徹底的に理解することが大切です。また、スタディキャンパスでは、お子さんの通う中学に合わせた定期テスト対策を提供しており、短期間でも点数を大幅に上げることができます。

東京都立高校の入試で点数を取るには?

繰り返しになりますが、東京都立高校の入試問題は毎年ワンパターンです。必ず出る単元やどんな問題が出るかなど、毎年ほとんど同じです。 例えば数学なら、「図形の証明問題」は、ここ数年必ず出題されています。入試に出る問題を解けるようにすれば、志望校に合格できる確率はぐっと高まります。 もっと言えば、出題されない問題は対策をする必要はないのです。 スタディキャンパスの家庭教師は東京都の都立高校の出題傾向を熟知しています。出題傾向やパターン、その対策方法など、お子さんの学力に合わせて指導・対策を行います。

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